学校長挨拶

母校第10代校長 今井寛人
母校学校長・久我山会名誉会長
今井寛人校長
平成29年 新年挨拶
変動の教育界を生き抜く母校

 國學院大學久我山中学高等学校同窓会久我山会の皆様、新年あけましておめでとうございます。ご家族の皆様とともに,穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 さて、毎年のことではありますが、昨年も運動部の試合、文化部の発表会等におきまして多大なるご支援、ご声援をいただきましたことに深く感謝申し上げます。中でも、中学ラグビー部が東日本大会において活躍、高校陸上競技部(長距離)は3年連続、20回目の都大路で勇姿を見せてくれました。その折には、応援いただきありがとうございました。昨年活躍したラグビー部、サッカー部は残念ながら全国へ駒を進められませんでした。毎年応援いただいている皆さんには申し訳ありません。ここの所、各種の試合が連続していて、じっくりチーム作りが出来ませんでしたので、この機会に力を蓄え、来年は期待に応えます。なお、全国ラグビー大会に出場している東京高校の副校長、明治大学中野高校の校長は本校の卒業生です。卒業生が率いる学校の活躍に敬意を表し、心からお祝いしたいと思います。文化部では、女声合唱部が2年連続で全国合唱コンクールに出場し、銅賞を受賞しました。13名という、出場校の中で最少人数での活躍です。定期演奏会で山友会の幹部の方々等の応援を頂いたお陰なのでしょうか。感謝申し上げますとともに29年度もよろしくお願いします。
 ところで、学校を取り巻く環境には厳しいものがあります。新聞等でご存知のことと思いますが、今話題となっていることの一部を紹介いたします。まず、アクティブラーニングを授業に取り入れる動きです。アメリカにおいて大学での少人数授業における手法を取り入れる動きです。今までの講義形式だけでは宜しくないと思いますが、四十人の生徒対象でどこまでの感があります。次に、高大接続の問題に関して大学入試制度に変化があります。現在のセンター試験が無くなり、高等学校基礎学力テスト(仮称)、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)が導入されます。その準備と並行して、新学習指導要領が平成34年から年次進行で実施されます。現場での不安は小さくありません。さらに、英語の四技能重視、グローバルリーダーの育成等々、様々な課題が山積しています。グローバル人材の育成に関しては、國學院大學が定義しているグローバル人材の基礎力「日本と日本文化の理解」「日本語の運用能力」「対人関係力・リーダーシップ」「異文化と多様性への適応力」「外国語コミュニケーション能力」を身につけることを目標として各種の教育プログラムを創出しているところです。現役の生徒達はそれらのプログラムに積極的に取り組んでくれています。さて、公立学校の私学化で、公私の役割分担が崩れてきていることも、私学で生活をしている私達にとっては重大な問題です。私学は学校ごとに様々なニーズに応えようと努力しています。本校も建学の精神を携えて、コース別に、特徴ある教育を展開しています。また、部活動の活躍は皆様が望むところでありますが、世間では部活動の顧問は教員の仕事ではないと言っているかのような発言があります。教員の勤務時間も、保護者、生徒のニーズに応えようとすれば当然長くなります。あるときは聖職としての期待をかけられ、あるときは一般的な労働者として見られと、教育の世界に生きることはた易くありません。そんな中、皆さんの母校の教職員は、國學院大學久我山中学高等学校で働くことに、使命感と生徒への愛情をもって、日々の教育活動に励んでいます。
 最後に、同窓生の皆様方のご多幸をお祈り申し上げますとともに、母校への応援を切にお願い申し上げます。

(「会報」第55号より転載)
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平成28年 新年挨拶
若者の成長を願って

 國學院大學久我山中学高等学校同窓会久我山会の皆様、新年あけましておめでとうございます。ご家族の皆様とともに、穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
  さて、上脇新会長の新年挨拶にありますように、新会長は私と同期であり、母校への思いが大変強いので心強く思います。一方、長年会長をお勤め下さった岸輝雄前会長には、これまで久我山会はもちろん、母校に対しましても多大なるご支援をいただいて参りました。学園を代表して、衷心より感謝申し上げます。
  昨年度は学園創立70周年、本年度は女子部創設30周年の節目でありました。第4代校長であり、國學院大學との合併後最初の校長である佐々木周二先生が将来を見据えて、中学を再開、女子部を創設されました。以来30年であります。この間、実に多くの先達のご苦労があって、今の学園の姿があるのだということを改めて思い返したとき、心の中で手を合わさずにはいられません。
  毎年のことではありますが、昨年も運動部の試合、文化部の発表会等におきまして多大なるご声援をいただきましたことに深く感謝申し上げます。各部の活躍の状況につきましては部活動応援コーナーも是非ご覧いただきたいと思います。中でも陸上競技部(長距離)が2年連続、19回目の都大路、ラグビー部が2年連続、40回目の花園です。そしてサッカー部は3年連続、7回目の選手権出場です。こちらもPKでの優勝ということで、胃が痛くなりました。運も力。そしていただいた勝利を大切にしてほしいと、部員たちに話しました。
  ところで、私達大人の使命は何でしょう。それは、将来を背負う子供たちに「自分の存在はかけがえのないものという自己肯定感を持たせてあげること」、「どのような世にあっても、力強く生き抜くことができる、学ぶ力と真の優しさを身につけさせてあげること」、そして「夢、希望が持てる世の中であることを伝えること」等だと思います。教職員一同、未来を託す生徒たちのために努力して参ります。
  最後に、同窓生の皆様方のご多幸をお祈り申し上げます。

(「会報」第54号より転載)
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平成27年 新年挨拶
創立70周年を迎えて 未来に羽ばたく学園

國學院大學久我山中学高等学校同窓会久我山会の皆様、新年あけましておめでとうございます。ご家族の皆様とともに,穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。 平成26年は本学園創立70周年ということで、岸同窓会長を始め多くの卒業生の皆様にご支援いただきました。すでに同窓会のホームページでも紹介いただいていますが、モニュメント「天球」の完成、國學院大學客員教授のさだまさし先生のコンサート開催、同じく客員教授の東儀秀樹先生のコンサート開催、そして父母会ではテレビでおなじみの予備校講師林修先生の講演を開催いたしました。それぞれが生徒の心に、保護者の皆さんの心に残るものであったと思います。
さて、この一年運動部の試合、文化部の発表会等におきまして多大なるご声援をいただきましたことに深く感謝申し上げます。各部の活躍の状況につきましては部活動応援コーナーも是非ご覧いただきたいと思います。中でも陸上部(長距離)が全国駅伝の予選で優勝し、五年ぶりに年末に都大路を走ります。また昨年花園に行けなかったラグビー部が復活。二年連続でサッカー部が全国大会に駒を進めています。冬の高校スポーツ四つの内三つの東京予選を制覇して、創立70周年に華を添えてもらいました。とにかく「うれしい」「ありがとう」に尽きます。試合の内容は、いずれも苦しい局面が多々見られました。それを乗越えての勝利ですから感動はより大きかったと思います。それぞれの部活が、時間と場所の厳しい制約の中、部員達の努力と顧問の骨惜しみしない指導の賜物です。生徒達は私達の宝であるとつくづく思います。また、これらの結果の裏で、クラブを、そして部員を支えて下さった卒業生の皆様には、この紙面を借りて心より御礼申し上げます。
 ところで、本校の学業面での結果は、まだまだ満足のできる状態にはありませんが、卒業生の一部の方々から「勉強にシフトしてクラブに力を入れないのか」とお叱りを受けることがあります。しかし、学校としての軸足は確かに学業であっても、部活動にも、生徒会活動にも力を入れていることをご理解いただければと思います。特に、本年のように全国大会に出場するとなれば、多くの生徒が男女を問わず応援します。そこで得られる感動は生涯忘れられないものであると同時に、その中から母校愛も育まれます。学校教育は子ども達に総合的な力を付ける義務を背負っています。だからこそ、行事、随時行うイベントにも工夫をせねばと感じています。大学のお力添えをいただいたり、経済同友会のご協力をいただいたり、そして企業に勤めている卒業生の皆さんのご協力により、現役の在学生の学園生活が年々充実して来ています。その充実振りは、本校のホームページはもちろんですが、同窓会のホームページでも紹介いただいています。ぜひご覧いただければ幸いです。
 今、世の中の動きは大変早く、政権も安定していない我国にあって、子ども達の生きていく未来の世の中は不透明です。大人が予測しきれない激動の世が待ち受けているのかも知れません。だからこそ、昨年の会報でもお伝えしましたが、私たちの使命は、「どのような世にあっても、力強く生き抜くことができる底力を身につけられるようにすること」。そして、グローバル社会の中にあっても、日本人として守っていくべき土台をしっかりさせておくことであると思っています。
年頭にあたり、創立70年の歴史を大切にすると同時に、未来の学園造りに、教職員一同邁進いたしますことをお約束し、また同窓生の皆様方の一層のご指導、ご支援をいただけますようお願い申し上げます。
 
(「会報」第53号より転載)
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平成26年 新年挨拶
力強く生きる久我山精神

 國學院大學久我山中学高等学校同窓会久我山会の皆様、新年あけましておめでとうございます。ご家族の皆様とともに、穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 この一年、運動部の試合や文化部の発表会等におきまして、多大なる応援、ご声援を頂きましたことに深く感謝申し上げます。各部の活躍の状況につきましては部活動応援コーナーを是非ご覧下さい。さて、この会報が年末に届くということで。サッカー部は一昨年と同様、全国に駒を進め、国立競技場で開会式後の開幕戦に出場します。国立競技場最終章の幕開けを飾ります。また、バスケットボール部も東京体育館で開催のウィンターカップに出場します。応援の程宜しくお願い申し上げます。
 ところで、久我山における生活は学習を軸足に営まれています。しかし、生徒たちは勉強だけではありません。部活動にも、生徒会活動にも真剣に取り組んでくれています。目指すところは、「部活だけ強ければよいのであれば別の学校が、勉強だけできればよいなら、やはり別の学校があります。部活でも活躍し、そして自分の将来のために入りたい大学を目指すなら久我山を選択しよう。」です。文武両道は容易いものではありません。しかし目指したいと思っています。昨年、指定校推薦で大学を目指す運動部の生徒が面接で言いました。「自分は、久我山で文武両道できたと思う。しかし、更に高いレベルの文武両道を目指すために○○大学を目指しています。」と。大変嬉しかったです。と、同時にその生徒が頼もしく見えた一瞬です。
 校長就任以来、入試説明会の挨拶、その他の機会において次のようなことを話してきました。
 「いま学校の、というより大人としての務めは、子供達に『社会で生き抜ける力』を身につけさせることです。そのために、『自己肯定感を持てるようにすること』『耐性を培って自己解決能力を身につけること』『自分の思いを人に伝えることできるように発信力を身につけること』です。」私たちは,久我山精神をもって、力強く生きていける生徒を育てることに邁進致します。
 卒業生の皆様から母校を見れば不足は多々見受けられるかも知れません。しかし、今の生徒達も、皆様と同様に夫々に目標をもって力強く,大きく成長しようとしています。同窓の皆様方には、是非暖かい目で見守り、励まして下さいますよう年頭にあたりお願い申し上げます。
 
(「会報」第52号より転載)
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同窓生の皆さんへ
校長就任のご挨拶

 この度、前校長岡部定征先生の後を受け、第10代校長職を拝命いたしました22期卒業の今井寛人です。新年交歓会のお手伝いも含めますとこの学園とのかかわりは、入学以来45年になります。また、創立者岩崎先生を拝顔できた最後の校長となります。佐々木先生、佐藤先生、小林先生、千勝先生、現大学理事川福先生、そして岡部先生と偉大で、それぞれに存在感の大きい歴代の校長先生方のことを思うと、重圧に押しつぶされそうです。そんな中、今までお世話になった同窓会の諸先輩、そして、私の同期の仲間の応援、支えはありがたく、感謝してもしきれないものです。それだけに、すべての卒業生の皆さんがいつでも、自信を持って語り、誇れる久我山学園であり続けられるよう、力を尽くす所存です。私学は、歴代の教職員、卒業生が襷をつなぐことにより維持され、発展するものです。このことを心に銘じ、母校の更なる発展のために職務を遂行して参ります。
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久我山会会長
母校第9代校長
岡部定征前校長
退職に寄せて
師と仰ぐ方との出会い


 私には師と仰ぐ方がお二人いらっしゃいます。お一人は、今日まで導き育んでいただき言葉に尽くせない感謝と思慕の念がつのる、先年ご逝去された佐々木周二先生です。先生との出会いは、昭和42年2月の面接の日。「頼みます」の一言で奉職が決まり、この一言は絶対に裏切らないと心に誓った日でもありました。短気で無鉄砲な私。ことある毎に始末書を書き「一晩『間』をおけ」と叱られ、そして「元気か」と言われたくて我武者羅に日々を送ってきたようです。(始末書は、今も校長室にあります。校長になって処分と思いましたが残して退職します。)
 もう一人は、大徳寺大仙院の尾関宗園先生。昭和46年春、旧定時制女子部修学旅行の担任引率として国宝大仙院に参拝した時のこと。「先生の座っているそこが秀吉の席です」とのほほえましくも慈愛に満ちたお話をきき、最後に「ところで先生は何を教えてられますか」と尋ねられ、伝統ある國學院大學史学を学んだ私は、「日本の伝統と歴史を後世に教え継ぐことで伝統文化の継承者として責務を果たします」と生徒達の前胸を張って答えました。すると「先生。その歴史を知らなくても、立派に生きている人々がいますよね。では先生は何を教えますか」と。女子生徒の視線がどのような答えをと、私を注視していることが痛い程わかります。しかし、答えられませんでした。尾関先生は、「先生。宿題にしておきましょう」とおっしゃって、またほほえみの世界に戻り語り続けられました。この「宿題」が45年間の私自身を支えてくれたと思っています。歳月や経験・立場によって言い回し方が変わることもあるけれども、今もその答えを求めています。私が相談ごとや講話の終わりに必ず「ガンバレ」と付け加えること、これが今の私の答えでもあると思います。雨の日も、雪の日も毎朝正門で君達に、「オハヨウ」と声掛けしたように、これからも君達に「ガンバレ」と言い続けたいと思います。
  「頑 張 れ」
 
(『校報』平成25年3月19日号より転載)
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平成25年 新年挨拶
新たなる久我山の発展を

 久我山会同窓の皆様方、新年明けましておめでとうございます。皆様方には、穏やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 一昨年(平成ニ十三年)は、本校にとりましてニ十六年ぶりの甲子園選抜大会出場、学園挙げて応援体制を整えましたが、直前の東日本大震災、応援自粛の指示通りに最小限の生徒応援団を今井教頭に託しました。しかし、当日のアルプススタンドに駆けつけてくれた同窓生をはじめ久我山ファン方々の大声援。学校で応援する私は「感謝」の一言でありました。またサッカー部全国大会も国立の久我山席を埋め尽くす応援の旗波。この初戦では奇蹟が起こりました。三年部員で活動中の交通事故で意識不明の生死をさまよったS君、ご両親は本人を車椅子に乗せて応援させました。この結果、応援を境に意識が明瞭となり、今春の難関大学受験準備まで回復しました。これも皆様方が大合唱してくれた「久我山賛歌」の後押しのお蔭と感謝いたしております。
 一方では名誉校長佐々木周二先生の突然のご逝去。学園の「心の柱」を失った思いであります。「偲ぶ会」・「追弔祭」への多くの方のご参列、学校を代表をして厚くお礼を申し上げます。
 このような時流の中で平成二四年を迎え、学園は更なる文武両道の大きな発展を重ねることとなりました。進学実績においても進学校の名にふさわしく東大をはじめ難関大学に前年度を上回る実績を残してくれました。
 また、日常の部活動も朝練禁止・三時間以内の活動時間・週一日の活動停止日等の多くの活動制約の中で、部員自身の「創意工夫と努力」によって多くのクラブ活動が全国に「久我山ここにあり」の実績を示してくれました。
 その中で特記すべきは荒川河川敷コースで行われた駅伝都予選で第一区の区間賞をとりながら準優勝に終わった高校陸上競技部の高校三年の打越雄允君。高校総体・国体の東京都代表で一五〇〇M・五〇〇〇Mに出場し、また、一般社会人も含む全日本陸上選手権一五〇〇Mの予選で自己ベストを記録し、決勝では残念ながら入賞は逃したものの九位となり、二年時のフランスのリールの世界ユース選手権大会出場に引き続きスペイン・バルセロナ第八回世界ジュニア陸上競技選手権大会の日本代表として決勝レースには進出できませんでしたが「世界」に久我山の名を刻んでくれました。また打越君は、大学生憧れの箱根大学駅伝を目指すことなく「世界に通用する中距離選手」を目標にアメリカ留学を目指して語学に全力投入しています。
 打越君に影響された中学男子三年の小池真郁君は、東京短距離界で頭角を現わし、都予選・関東予選を突破して全日本中学選手権大会では二〇〇Mレース準優勝し、更に全日本中学ジュニアオリンピックでは居並ぶ強豪を抑えて一〇〇M優勝の素晴らしい快挙を成し遂げてくれました。小池君は久我山高校進学が決まっており、高校陸上界での活躍が期待されます。
 また文化部では、囲碁部の高校三年女子二宮歌穂さんは、二年時の全国高校囲碁選手権準優勝の雪辱をかけて全国高校総合文化祭の囲碁の部に臨み、念願の全国制覇を果たしてくれました。更にこの会報が届く頃には、破竹の勢いで強力フォアードの押し出す久我山ラグビーが頂点を目指して猛進していることと確信します。
 同窓会には、三期会の卒業以来の六〇回の還暦同窓会、また十一期の古稀祝いの会に招かれました。恩師を交えての在学当時の言葉遣いで語り合う姿は「楽しい」の一言であろうと思います。この久我山に集う力が今日の礎であると痛感する次第であります。
 今年は、「巳年」。巳の原字は胎児を包み抱く姿を表し、「漢書律暦志」では草木の生長が極限に達して次の生命が作られはじめる時期と解釈しています。年末の国政・都知事選挙等の激動の中、今こそ岩崎精一先生の「学園三箴」の心に立帰り、皆様方の力で再生日本のためにご尽力する時であろうとも考えます。学園も「覚える教育」から「考える教育」への質的転換を図り、教育充実に一層の努力を重ねる所存であります。同窓生皆様方の更なるご支援をお願いし、皆様方のご多幸をご祈念してご挨拶とさせていただきます。
 
(「会報」第51号より転載)
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平成24年 新年挨拶
久我山の心を日本再建の礎に

 平成二十四年壬辰、新年あけましておめでとうございます。
昨年は、二つ大きな出来事がありました。まずは、三月の東日本大地震による津波や原発事故。耐震化を終えた校舎に多少の影響がありましたが、人的被害は皆無で安堵いたしました。されど、今日の人々の想像をはるかに凌駕する大自然の猛威の前に人は何の為す術もなく打ち平伏され、「いかに生きるべきか」を問われる出来事でありました。世界の報道は、沈黙の惨状に立つ日本人の相互扶助の好意、整然とした秩序に賞賛の言葉を与えました。
 そして、多くの国民は、日本の伝統精神の「助け合うDNA」が甦り、東北だけでなく全国に『がんばろう 日本』が合言葉となり復興に邁進する原動力になりました。不安定な自然環境の中で、共存共生の「自然と人のあり方」が再確認され、『がんばろう 日本』の波紋は、日本国旗と共に全世界の輪となって広がっていきました。この日本が発信した、困難な惨状にも耐え忍ぶ心や助け分け合うDNAこそ、岩崎清一先生の国難の中で本校を創設した建学の精神であり、学園生活三か年、六か年の学習の底流にも養われるべきものであろうと思います。
 もう一つの出来事は、名誉校長 佐々木周二先生が四月二十六日早朝、白寿まであと二か月を残されて九十八歳と十か月で突然ご逝去されたことです。言葉に尽くせない大きなお心と湧き出でる教育愛で本校を支えて下さった先生のご遺徳を偲び、本校では九月創立記念式典終了後、体育館に祭壇とご遺影を奉設して本校神職関係同窓会奉仕により追弔祭を斎行致しました。
 先生のご生涯は、創立者岩崎先生の病床での『学園を頼みます』との一言に応えて、戦後経営の塗炭の時代を國學院大學と合併することで乗り越え、名実共に、東京私学を代表する隆昌の礎を築き、固められたのです。
 先生は、青年教育の本質は、「明るさ、爽やかさ、感謝、譲り合う心、社会規範を守る心と勇気」であると常に諭され、全校生徒に対し「なぜ一歩手前で自らを省みる勇気が無かったのか」と自戒の思いを込めて語られました。また卒業式では「結婚をする時には、お母さんの気に入る嫁をもらえ。」と話され、お母さん達の笑顔で式辞を終えるのが常で、慈愛溢れる教育愛が見ることが出来ました。
 日頃の学園生活の中で心を磨き育み(心の力)体を鍛え(体の力)日々にあせらずに学習の努力(頭の力)を重ね続けることこそ大切であり、努力の継続は必ず報われることをご自身の体験より語られ。将来の財産にせよと言われていたのです。この先生の思いは、久我山会が主催した「先生を偲ぶ会」の出席者に配布されました抄録新版「私学の歳月」に「語り継がれる教育論」として復刊されています。
 今こそ、先生の教育原点に立ち返り、日本人の心のDNAを発露として再生元年に、同窓生が世界各地で久我山精神を発揮し再建の礎となることが使命であり、責務であると思います。
 最後に久我山会の発展と会員皆様が、ご健勝で社会貢献されることを切望して学校を代表して新年のご挨拶といたします。
 
(「会報」第50号より転載)
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『私学の歳月』抄録新版の発刊に寄せて
学園の心の支え

 四月二十六日の朝、佐々木周二先生の訃報の知らせが届けられました。今年六月に白寿をお迎えになる先生の「お祝いの会」と考えていた矢先のご逝去でありました。
 先生との最後のお別れは、昨年の秋に三期のO氏とご一緒にお訪ねした時の穏やかなお顔のお姿が今も思い浮かんでまいります。学園は、先生のご功績を讃えて創立記念日に「追悼祭」を斎行いたします。
 久我山会も「先生を偲ぶ会」を開催することになり、その折に『私学の歳月(抄)』の再発刊のご提案をいただきました。それは、草創期・発展期に在籍して先生のお姿を知っている多くの同窓生が、今でも「『私学の歳月』を手に、正しい生き方をしているか」と自問自答していますとの声を聴きます。また先日も、他校の先生より『私学の歳月』をことある毎に読み、指針にしていますとのお言葉をいただいております。
 学園を築かれた先生の熱い胸の内からほとばしる思いが、この冊子には凝縮されています。
 私自身、今日あるのは「言葉に言い尽くせない先生」のお陰であります。先生の「男のケジメのつけ方だぞ」・「時に耐え忍べ」・「苦しくとも原典に立ち戻って学べ」・「若い時に小手先の技でなく直球をなげろ」など、こと折々の先生の言葉が心の支えになりました。
 奉職当時は、「なぜあんなに厳しいのだろう」と反発したこともありました。がしかし、「表面的に優しい教員はいつでもできる。十年・二十年先の生徒にとって何が大切かを考えろ」の先生の「大きな真の生徒愛」を肌で感じた時に、はじめて久我山教員の第一歩を踏み出したのだと今思っております。
 今、問題生徒の処分などの時、「そのくらい、しかたないよ」の生徒に迎合する風潮の中で、「先生ならば」と思い『私学の歳月』を読み返しております。そこには久我山のその時代・時代の姿を描くと共に久我山の精神が刻まれ、学園の道筋を示していると思っております。
 その『私学の歳月』から久我山会が選び抜いた抄録新版の三十三編の文章は、多くの同窓生の記憶の中に今も流れている「佐々木周二先生への思いと心の糧」であろうと思います。
 今、年の若い同窓生の皆さんは、ここに記載されたことを全く知らない世代の人もいると思います。この小冊子を手にして「在りし日の久我山」に思いを馳せていただきたいと思います。「学園三箴」・「明るく、さわやかに弛まざる努力を重ね、明日の日本を担う青年の育成」。そして、生徒自身のキャッチコピーである「きちんと青春」は、先生の「久我山生への深い教育愛」と同窓生に流れる「久我山の精神」に裏づけされた結果であることに思い至ってください。
 最後に、同窓生と共に培った「変わることのない久我山の心」と「佐々木周二先生の思い」を学園の支えとして、更なる発展を誓います。
 また、同窓生皆様が、今一度、久我山の原点に戻り、より一層に社会に貢献されますことをお祈りいたします。
 
(平成23年10月「佐々木周二先生を偲ぶ会」にあたり出版した『私学の歳月』抄録新版まえがきより転載)
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平成23年新年挨拶
母校の新たな躍進に向けて

 久我山会の皆様には、ご家族お揃いで穏やかな初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 また結成60周年の節目を越え、新たな躍進の年を迎られたこと重ねてお祝い申し上げます。
 昨年の日本を取り巻く情勢は、経済不況に始まり、人として考えられない犯罪の多発など混乱と喧騒の中にあり、学園にたずさわる教職員・在校生・卒業生は岩崎精一先生の学園三箴に求めた「心の力」、「心の教育」を熟慮・実践しなければならない時代になりました。
 この世情の中で母校の現状を報告致します。学園の昨年は、学習面の充実と共に生徒会活動・部活動共に輝かしい成果を刻みました。
 学習面では、大学進学実績が各方面より高い評価を得ると共に、更なる発展を考えまして「STクラス」(特進学級)を設けて生徒間の切磋琢磨する「学習の牽引役」と位置付けました。
 また学習環境の充実は、創立60・65周年の記念行事の一環として、高校グラウンドの人工芝化と共に、旧図書館跡地にカフェテリア・図書館・自習室・CL教室等の三層の「学習センター」を建て、本校の目指す方向を表現しました。
 更に四季を彩るケヤキ並木に象徴される通学路を改修して、インターロッキング化しました。
 通学路のデザインは、前島隆宇先生(本校元教諭・近代美術協会代表)に依頼しまして、本館建設時の佐々木周二先生の「青年への熱い思い」を具象化した中央昇降口左右の壁画、「飛翔と叡智」につながる宇宙への飛躍する「天景」をテーマに多色ブロックで製作されています。
 正門ヒマラヤ杉前の「胎動の世界」から始まり、直線通学路の「初心」、中央空間の銀河星雲と月・星座の中に形成された「開花」と「躍進」を経て、理科会館前の半円形デザインは宇宙への旅立ち「大成」へと繋がりました。母校久我山生の青春期と大なる躍進を描き、「学びの道」と名付けて関連事業を完結しました。是非、新校舎と共にご覧いただきたいと存じます。
 一方、生徒活動も注目の一年でありました。生徒会では、昨年度のインフルエンザによる中止の思いを払拭するかのような来場者多数の久我山祭の成功、文化部では高校2年二宮歌穂さんの全国高校囲碁選手権大会への出場、音楽では高校3年桜井愛子さんの全日本学生音楽コンクール・東京大会(高校の部)声楽部門での準優勝などの快挙をあげることが出来ます。
 運動部では、陸上・バスケット・弓道部のインターハイ・国体後の二学期後半の活躍は目覚しく、サッカー部・陸上競技部駅伝は優位を伝えられながら、残念にも都立駒場高校に1対0負・東京実業高校に6秒差で準優勝となりました。バスケット部はインターハイ出場の実力を発揮して、順調に勝ち進み東京体育館のウインターカップの出場権を得ました。
 ラグビー部は、都第三シードとして出場し、春季大会に大敗している東京高校を31対14で破り、花園20年連続出場の偉業を達成しました。
 また野球部は秋季大会で決勝戦に駒を進め、日大第三高校と押し気味に試合を進めながら力及ばず、4対0で敗退し、26年振りの甲子園への夢が絶たれました。しかし、日大三高が関東有力校を集めた神宮大会で優勝となり、東京枠二校に選抜される可能性が高くなりました。
 このように他に真似することの出来ない輝かしい成果は、毎試合毎に応援に駆けつけて下さった先輩達の声援の賜ものであります。
 また日頃より在校生に「君達の望む成果は必ずや達成することができる。何故ならば先輩達が涙と汗で切り開いてくれた道標と後姿を辿ればよい」と言い続けています。その「先輩達の伝統を守る」の合言葉への努力の結果でもあります。
 平成22年11月21日の生徒会が選んだ久我山祭のテーマは「結=ユイ」でした。「結」とは、古代日本人が共同体社会の精神的根源にすえた「産霊=むすび」であります。
 今まさに「心の力」こそ、現役生と先輩を結び付ける絆であり、共存共生の心、互いへの「思いやり」・「感謝する心」こそ、現在の日本に欠けたものであり、久我山から発信する「日本心」であろうと思います。

最後に佐々木周二先生が99歳の白寿を迎えられ、お元気で居られますことをお伝えしまと共に、会員皆様方のご健勝をお祈り申し上げ、更なるご支援を賜りますようお願いして挨拶と致します。

(平成23年1月1日「会報」第49号より転載)
 
 
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